più mossoピューモッソとmeno mossoメノモッソ
piùピューという言葉は「もっと多く」あるいは「さらに多く」という意味を持つ
副詞でmossoモッソ「動く」あるいは「動かす」という意味の過去分詞ですが、
それを修飾しています。算数の足し算で「たす」という時もpiùと言います。
più mossoは「もっと多く動かす」つまりこれが「もっと速く」となる訳ですね。
音楽用語として決めた言葉ですから少しばかり無理がある様な気がしないでもありません。
menoメノという言葉は「より少なく」あるいは「さらに少なく」という意味を持つ副詞
でさっきのpiùとはちょうど反対の意味を持つ言葉です。
meno mossoは「動きをより少なく」となり「もっと遅く」になる訳です。
このpiùとmenoは他の速さを表す言葉や強弱を表す言葉にも同じ様に使うことができます。
算数の足し算で「たす」という時はpiùと言いますし、引き算で「引く」という時はmeno
と言います。この事を覚えてしまえば理解しやすいかも知れません。
そういえば海岸の通りを私のもうイタリアにお帰りになった先生と二人で車に乗って走って
いた時、先生が海を見て「mosso mare!」って仰ったのを思い出しました。
どういう意味か私が尋ねると「海の表面に白い波がたって少しザワザワとしている」つまり
「少し波がたって海が動いている(荒れている)のだ」と。波乗りの人たちの言うところの
「ウサギが跳ねている」状態の海のことらしい。
当時イタリア語初心者の私はmossoという言葉が何の過去分詞か想像もつかず、ただ音楽用語
としてしか思いつかない言葉がこういう風に日常生活の中で息づいていることが何だか
もの凄く嬉しくしかも驚きでした。
・・・メトロノーム新聞より 2000,3,3
*今これを書きながら当時を思い出しています。私が初めてイタリア語を教えていただいた
先生でB先生です。先生は今現在Piacenzaから30分くらいの場所Cstelsangiovanniに
いらっしゃいます。現在84才の女性です。先生の授業はイタリアの文化、現代事情、
日伊文化比較等ありとあらゆる処から授業の題材を拾ってこられます。まあ大変でしたが
とても面白い勉強をさせていただきました。今や人生の師匠と私は勝手に思っています。
学者でいらっしゃる先生は今でも時々は本を上梓されています。何年かに一回私は先生の元
を尋ねます。とてもお元気です。今回もコロナウィルスの件で先生にemailでお元気かどうか
お尋ねしましたが端的で皆元気でいると先生らしいお返事でした。この騒動が収まったら
またお尋ねしたいです。
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