Fuga

フーガ

どこかで聞いたことがあるこのフーガを説明する前に、簡単に西洋音楽の

始まりを説明しましょう。

中世(西暦400年〜1400年)の初めにキリスト教のお祈りの「グレゴリオ聖歌」等

から始まりました。当初、キリスト教の僧侶が歌う’ミサ’(カトリックの典礼音楽)

などでは単旋律で歌われていたのですが、8世紀頃になってこの単旋律で歌われて

いたメロディーに単純な’対位法’と言う技法が使われるようになってきます。

つまり、一つのメロディーを歌い始めると他の声部が出てきて並行に動いたり、

逆の方向に動いたりもしくは一つの声部が動いているともう一方の声部は音を

伸ばしていたりと進展してきます。この対位法技法のことをポリフォニーと言います。

ここから発展していった技法の一つがフーガです。

フーガの始まりは14世紀頃からで、ルネサンス中期から始まり、横に流れる複数の

メロディーの間に’主題’(テーマと呼ばれるその曲の大事な主旋律)とそれが模倣される

他声部からなる音楽です。ここで言われる「横にながれる複数のメロディー」とは

ポリフォニーで書かれた音楽のことです。

ちなみに日本語版音楽辞典では’遁走曲(とんそう曲)’と言われています。fugaとは

イタリア語で「逃走」を意味します。元々エジプトからヘブライ民族が宗教上の問題

から紅海を渡って逃げたことに由来しています。今でもPasquaパスクア(ユダヤ教の

祭典・復活祭、英語ではイースター)というとイタリア語ではfugaと同じ意味で使われる

こともあります。

 余談ではありますが、私が子供の頃ザ・ピーナッツという双子の有名な歌手がいて

「恋のフーガ」という歌を唱ってていたのを思い出しました。

冒頭の歌詞が実にfugaを上手く言い当てていると思いました。「追いかけ〜て、

追いかけ〜て、縋り付きたいの〜」作詞はなかにし礼さんなのですが、凄いです。

      ・・・・・・メトロノーム新聞より October 11, 2005


ついでに補足すると このうたの終わり近くに「初めから〜結ばれない。あなたと

わたし〜〜ぃ」とあります。もうなかにしさん完璧です。fugaのメロディーは結ばれない

のです。

ピアノ教室/メトロノームの会

2000年に「メトロノームの会」と名づけて親睦会を 小さな生徒さん達とはじめました。 同時に「メトロノーム新聞」も発行し皆で持ち回り 編集長となり、なんでも書ける音楽情報掲示板を目指しました。 この名前をつけてくれた当時の皆さんも大人になり、 新聞も今はやっていません。20年経って少し形を変えて もう一度「メトロノーム新聞」を作ろうと思いました。

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