Cantabile

カンタービレ

この言葉は何年か前突然に日本中でよく聞かれる言葉となりました。

ご存知の皆さんも多いと思いますが、それはテレビでドラマとなった

「のだめカンタービレ」です。もともとは二ノ宮知子さんの書かれた

漫画が元になったドラマでした。

イタリア語では「歌うように」という形容詞ですが、音楽用語では

名詞として扱われることもあります。

cantareカンターレ(歌う)という動詞に〜abileアービレ(〜する能力

のある)という接尾語がくっつきcantabileカンタービレという言葉、

つまり「歌う能力のある」とか「歌う事ができる」という意味を持った

言葉になった訳です。

この「のだめカンタービレ」というタイトルは単なる名詞を通り越して

固有名詞にしてしまった様です。素晴らしいタイトルだと思います。

こういった言葉遊びをする人をもう一人知っています。

ピアソラです。

最近、私の長年の連弾の友とピアソラの曲を練習していて、

「Allegro Tangabileアレグロ タンガービレ」という曲のタイトルの

意味を知りたくて二人で必死に辞書を引いたりして調べるのですが、

Tangabileという言葉が辞書に出てこない。単にtangaを調べると

「ブラジルでサンバの踊り子が身に付けているTバックのビキニ」としか

出てこない。困り果ててやっと思いついたのはピアソラという人は

「言葉を作る名人」であるということ。

彼の曲のタイトルには造語を作って楽しんでいるものが数多くある。

例えば皆さんよくご存知の「リベルタンゴ」liberoリベロ(自由なとか

解き放たれたという意味)とtangoタンゴが結び付けられている。

「デカリシモ」これはタンゴ奏者(コルネット・ヴァイオリン)の

フリオ・デ・カロに宛てた曲で「とてもデ・カロ的」という意味になる。

イタリア語では〜issimo〜イッシモとなると本来の意味の最上級を表します。

ppピアニッシモとかffフォルティッシモとか有りますよね。これらも同じ

です。そこで私が思いついたのがtangoタンゴcantabileカンタービレである。

つまり、cantabileの成り立ちを考えるとtangabileとはtangoと〜abileがくっ付いて

Tangabileタンガービレ。納得です。

     ・・・・・私のparola della musica のノートから November, 2013

ピアノ教室/メトロノームの会

2000年に「メトロノームの会」と名づけて親睦会を 小さな生徒さん達とはじめました。 同時に「メトロノーム新聞」も発行し皆で持ち回り 編集長となり、なんでも書ける音楽情報掲示板を目指しました。 この名前をつけてくれた当時の皆さんも大人になり、 新聞も今はやっていません。20年経って少し形を変えて もう一度「メトロノーム新聞」を作ろうと思いました。

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